ImpressのPC Watchに掲載された、InternetExplorer9の開発者のインタビュー記事の末尾で、インタビュアーの本田雅一氏との興味深いやりとりがあった。
【本田雅一の週刊モバイル通信】 IE9開発者のライアン・セルヴァティウス氏インタビュー ~IE9が目指す“速い”ブラウザ
以下、該当部分の引用を示す(強調はTonpoo.comによる):
--最後に“日本語”でWindowsを使っているユーザーとして、要望をしたい。もう少しWebページの表示が美しくなるよう、ブラウザ側でも努力してもらえないだろうか?
セルヴァティウス ブラウザは筆記用具でいえばペンのようなもので、どのようにレイアウトするかはWebページデザイナーが決めることだ。Webスタンダードがあって、同じスタンダードに準拠していれば、同じようなレンダリング結果を生むことができる。だから、日本語でも英語でも、ブラウザがやることは同じ。支持されたとおりにページをフォーマットすることだと思う。そういうことじゃないのかな?
--単なるレイアウトではなく、ページ全体に見栄えについて。例えばWindowsとMac OS Xでは文字のレンダリング品位、レイアウトバランスがOSレベルで違う。画像をスケーリングする際の品質も異なる。特に文字品位については圧倒的にMac OS Xの方が上だと感じる。美的観点からの主観評価なので“きれい”か“きれいじゃない”かは、人によって異なって感じるかもしれない。特に英語ならば、目くじらを立てて食い下がるほどの違いは出ないと思うが、日本語では大きな差があると思う。日本語が読めなくとも、単純にビットマップをキャプチャして見比べるだけで、その違いはわかるのでは。
セルヴァティウス それは興味深い。確かに英語以外の言語で、Windowsプラットフォームの文字品位が低いという話は聞いたことがある。我々に何ができると思うか?
--Safari のWindows版は、独自のフォントレンダラを内蔵して、Mac OS Xに近い表示をしてくれる。Windowsのフォントレンダリングについては、もう10年以上も前から品質の問題を指摘されながら変化してないことを見ると期待できない。Safariと同じようにすればいいという話ではないが、“Webページの見やすさ、美しさを改善する”という観点からすれば、ブラウザなりにOSとは独立した文字レンダリングや文字組みの仕組みがあってもいいのでは?
セルヴァティウス 見やすさや文字の美しさといった、感性に関する部分をブラウザ側でカバーするという発想は、これまでしたことがなかった。しかし、重要な点だと思うので開発にフィードバックして内部で検討をしたい。我々はよりよいレンダリングを目指しているので、技術の枠組みにこだわることなく、より良い方向を見つけることができるならば、是非とも取り組んでいきたい。
たまたま現在欧米系の多国籍企業の方とお仕事をさせていただいていて、日本語という言語の抱えるフォントの問題をなかなか理解していただくことができずにいたところ。上記のセルヴァティウス氏の発言を見て、改めてWEBやPCといった分野において、日本語(を含む非欧米系言語。特に漢字を使うアジア系言語?)の存在やその特性というのは、まだまだ充分に考慮されていない、ないし認識されていないのだなあ、ということを感じてしまった。
「10年以上も前から品質の問題を指摘され」ていて、「英語以外の言語で、Windowsプラットフォームの文字品位が低いという話は聞いたことがある」にも関わらず、(セルヴァティウス氏がOSやフォントではなくブラウザの開発担当であるとは言え)本田氏に聞かれて初めて「我々に何ができると思うか?」などと尋ねているようでは、問題解決に対する積極的な姿勢が見られないですよねえ。
Windows Vistaと共に登場した「メイリオ」フォントによって、Windowsのフォント環境は、MS P ゴシックの時代からは相当向上したと思うけど、やっぱりまだまだMacのそれには遠く及ばない。社交辞令やポーズとしてではなく、是非ともセルヴァティウス氏やマイクロソフトには、本気でその辺の問題解決に取り組んでもらいたいですね。

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