ちょっと興味深い出来事があったのでメモ。先日こんなニュースがあった。
FNNニュース: 無届けで自宅にサーバー設置、中国の利用者向けにゲームサイトに接続 中国人の男逮捕
このヘッドラインを読んだときの第一印象は「んなアホな。自宅にサーバーを設置するのに届け出が必要なわけないでしょうが」。まあこの辺りの事情に明るくない記者が書いてしまったんだろうと思っていたわけですが、この件について総務省関東総合通信局・電気通信事業課と、該当の事件を取り扱った埼玉県警浦和東署に問い合わせまでして調べてくださった方がいて、ブログで詳細を公開しています。
MobileHackerz再起動日記: 自宅サーバを無届けで設置すると逮捕される?
ここで今回初めて知ったのが以下の部分。
他人と他人の通信(電話とかメールとか)を加工せずに繋ぐのが「電気通信役務」。
「他人の通信を媒介」する「事業」をしていれば、それがたとえ自宅サーバじゃなくレンタルサーバを借りていても届出が必要なのです。
この場合、レンタルサーバを提供している業者も「電気通信事業者」ですが、その設備を借りてたとえばメールアカウントをお金取って貸してたら、アカウント貸してるほうも「電気通信事業者」になります。
・・・とのこと。すると、以下のようなケースはどうなるんでしょう。
<ケース1>
A社、B社、C社の三者が関係する案件で、担当者間の意思疎通を円滑にするために、その案件用のメーリングリストアカウントをA社のサーバーで用意した。このメーリングリストの運用にかかる費用は、A社が発注元のB社に対して、制作管理費の中に含んで請求した。
メーリングリストの中では、自社(A社)宛だけでなく、B社担当者からC社担当者宛など、「他人同士の通信」もあり得るから、もしかしてダメ?・・・と思ったけど、文脈的には他人同士の通信だとしても、A社担当者宛にも届くわけだから、この通信には「自分」も含まれ、「自己の需要」という事でセーフ、なんでしょうか。
<ケース2>
A社がB社から請けた案件で、社内のリソースが不足していたため、A社が外部パートナーであるCさんに協力を依頼した。その際、B社に対してはCさんはA社の社員として紹介し、進める事にした。このため、A社では自社名義のメールアカウントを発行し、B社担当者とCさんとの間でメールのやりとりができるようにした。このメールアカウントを用意した費用は、A社がB社に対して、制作管理費の中に含んで請求した。
この場合、A社担当者をすっとばして、直接B社担当とCさんとの間で勝手にメールのやりとりが進むことも考えられる。とすると、これは「他人同士の通信」なんでしょうか?いや、この案件を進行する事自体はA社の利益だから、これも「自己の需要」でセーフ、なんでしょうか。
<ケース3>
A社の運営するコミュニティサイトは、登録や基本機能の利用は無料であるが、一部の便利な機能を使うためには有料会員となる必要がある。このコミュニティサイトには、登録ユーザー同士でメッセージを送受信する機能がついている。
=A:利用形態について=
a1)メッセージの送受信はWEBブラウザを使ってコミュニティサイトにアクセスしている時のみ可能。
a2)メッセージの送受信はメールソフトでも可能。「相手ユーザーのアカウント@コミュニティサイトのドメイン」というメールを送信すると、相手ユーザーにその内容が届く。その際、メール本文の冒頭に「このメールは●●サイトから送られています。あなた宛に▲▲さんから送信されたメールです」という注意文が挿入される。
a3)メッセージの送受信はメールソフトでも可能。「相手ユーザーのアカウント@コミュニティサイトのドメイン」というメールを送信すると、相手ユーザーにその内容が届く。その際、特に注意文などは挿入されない。=B:利用料金について=
b1)メッセージ送受信機能は基本機能に含まれていて無料である。
b2)メッセージ送受信機能を使うためには有料会員となる必要がある。
b3)メッセージ送受信機能は、基本機能の場合はサイト上からのみ利用可能、有料会員となると、メールソフトからの送受信も可能となる。
この場合どうでしょう。a1については、サイトのインターフェースの中に埋め込んで表示するわけだから、「加工」にあたってセーフか?a2については、メール本文冒頭に定型文が挿入されるのが「加工」にあたってセーフか?a3は特に何も挿入しないから、これでもしb2またはb3の条件が加わったら、「他人と他人の通信を」「加工せずに媒介する」「そのことに対してお金を取る」という条件が揃って、アウトでしょうか???
うーん、難しいですね。

コメントはまだありません »
コメントはまだありません。
この投稿へのコメントの RSS フィード。 TrackBack URL
コメントする